1棟の建物の一部が使用中の場合の空き家特別控除の適用について
- kei miyauchi

- 2019年7月11日
- 読了時間: 3分
最近面白い相談を受けたのでご紹介します。
無さそうでありそうな話ですね。
※空き家特別控除そのものについては過去記事参照。
売却を検討中の物件の概要は下記のとおり
・3階建ての昭和50年くらいに建築した建物
・所有は亡くなった被相続人と相続人のうちの一人の2分の1共有
・被相続人は亡くなる直前まで2階と3階に独居、死亡後に居住している人間はいない
・1階は所有権のある相続人が、自分の会社事務所として使用、家賃の支払いは無い(使用貸借)
・1階は相続開始前から同じように利用し、相続開始後も利用し続けている。
・区分所有登記はされていない
売却にあたり下記の前提は満たしているものとする
・取り壊して売る
・売却金額は1億超えない
・他に空き家特例を使える家屋は無い
・相続開始から3年以内に売却
これで空き家特別控除が受けられるか?
当事務所の見解としては、
一部について適用有り
です。
会の会員相談室にも相談しましたが、結論も異論も疑問点も同様でした。
最初にこの相談を受けたときは、「1階使ってる時点で空き家じゃないじゃん。無理っしょ。」と回答していたのですが。
念のため調べてみると、条文上ははっきり書いてない・・・。
一つの土地の上に被相続人の自宅家屋とそれ以外の建物が建築されている場合については規定があるものの、1棟の建物の用途が複数の場合については書いてない・・・。
税理士会の研修でも扱っていない・・・。
じゃあ、俺がやるしかねえなあ!
ということで、色々調べました。
適用有という結論の根拠としては下記の3点
①措置法通達35-8において、居住用以外を含む譲渡の取り扱いが記載されている→故に居住用以外を含めて売却することを想定している
②35-8について、措置法基本通達逐条解説において、「例えば当該譲渡した資産が店舗併用住宅のように~」とあることから店舗併用住宅の売却は想定されている
③財務省HP記載の「平成28年度税制改正の解説」において空き家特例の解説の区分所有建物の説明のところで、「単なる共有の登記がされている建物はこれ(区分所有建物)に当たりません」→共有登記の物件については適用有と言っている。
もちろん、被相続人が居住していないものはそもそもの対象にはならないので、対象になるのは全体のうち
被相続人が居住していた2階と3階
かつ
被相続人が所有してい持ち分に相当する分
ということで、全体の約3分の1のみが対象です。
ただし、問題点としては、
①空き家を無くしたいという立法趣旨には沿わない(空いてないから)
②自治体の空き家証明が必要なのだが、自治体が空き家として判断してくれるかはまた別
というところはあります。
実際はどうなんでしょうね?自治体の対応って結構マチマチなので、「東京はアリだけど大阪はナシ」とか「足立区はアリだけど世田谷はナシ」みたいな話があってもおかしくないとも思います。
なので、適用を検討されている方はくれぐれも事前の確認をお勧めします。




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